琴浦町:命の搬送、医療費巡り延期 医師への支払い、町民「問題外、実施を」 /鳥取
◇救急車同乗の医師への支払い、町民「問題外、早期実施を」
医師を乗せた救急車で重症患者を病院搬送する琴浦町の事業が、実施予定の17日を過ぎてもストップしている。同乗医師への医療費の支払いが発生するため、県中部消防局が「患者に『救急車に料金がかかった』と思われるのでは」と危惧(きぐ)しているのが理由。町民は「命がかかっている場面で、そんなことは問題にならない」と、早期実施を求めている。【田辺佑介】
同町には、心肺停止の重症患者らに対する高度な医療が施せる救急救命施設がないため、体制が整っている米子、倉吉両市に搬送する必要がある。しかし、両市の中間に位置する同町からは、患者の搬送に最大1時間程度かかるため、危険な状態にある患者を搬送する時は赤碕診療所や中部消防局と連携して、救急車に同診療所の医師を同乗させることになった。
問題になっているのは、患者が支払う医療費で、同町の場合、車内で治療した同診療所と搬送先の病院にそれぞれ支払うことになる。この際、中部消防局は「救急車は無料であることが一般的な認識だが、診療所からの医療費請求が『救急車の料金』と誤解されるのでは」などと懸念を表明。同町など三者で協議を重ねたが、折り合いがつかず、実施は延期された。同診療所によると、搬送患者には薬剤投与などの措置を行い、患者の負担は1500〜1万円程度という。
同町は「三者で協議を進め、できるだけ早く運用を始めたい」としている。
同様の搬送事業は、日南町が01年、日南病院と県西部消防局の間で結んでいる。同病院によると、同乗医師に支払う医療費は患者側に請求しているが、大半の患者は同病院に搬送されるため、救急車内での治療費と搬送後の治療費は一括請求している。別の病院に搬送した場合は、車内の治療費を請求していないこともあり、疑問の声は上がっていないという。
中部消防局の危惧について、救急・災害医療を専門とする鳥取大医学部の中田康城助教授は「クレームをつける患者はいるだろうが、住民は総論的に賛成のはず。まずは3カ月でも半年でも期間を決めて試験的に実施すればいい」と話している。
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■視点
◇救急医療の流れに反する
中部消防局が“待った”をかけた救急搬送で、心肺停止の治療に金がかかったからといって、支払いに難色を示すだろうか。「死にそうな状態で治療を受けて、お金を払うことに文句をいう人なんていない。みんなそう思っているはず」と、地元の医療や行政関係者も明かす。
地方分権推進の観点から、国は03年、市町村に対して画一的に義務化していた「救急義務」を定めた消防法を改正。救急業務を市町村の自主的な判断に委ね、住民の意思による救急医療を進めることが狙いだったが、この流れにも反する。
琴浦町の制度には、医療過誤や交通事故の際の対応に関する不備も指摘されているが、救急医療体制の確立は、旧赤碕町以来の悲願だった。「住民の理解が得られるか」というが、実施しないことの方が理解し難い。【田辺佑介】
5月24日朝刊
(毎日新聞) - 5月24日17時1分更新
この何十年という間、日本人の頭の中には医療というものが非常に金のかかる高いものであるという意識が無くなっていたのではないでしょうかね?この救急車の問題にしてもマスコミは町の対応を批判してるけど実際には救急車をタクシー代わりに利用している人が東京でも多いしこうした公共のサービスは無料が当然と思っている人、結構多いんですよ。ちょっと冷静に考えると町の考え方が間違っているのは明らかなんだけど、それを無条件に批判するのはどうかと思うほど非常識な人は多いという事なんじゃないかな?
これからは『医療には金がかかるんだ』という事をもっと我々が自覚する必要があると思いますね。人の命がかかっているんだから。
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